サーバーエンジニアやインフラエンジニアを目指して情報を探していると、「LPIC」という資格名を頻繁に目にするものの、具体的に何を証明する資格なのか、いまひとつ実感が湧かないという方は少なくありません。求人情報でもよく見かけるこの資格は、実際にはどのレベルの技術を証明し、どんな場面で役立つのでしょうか。
この記事では、LPICの基本的な位置づけから、難易度・勉強時間の目安、受験料・有効期限・申し込み方法、キャリアへの活かし方まで、LPICの全体像をまとめて解説します。
- LPICが、どのようなレベルの資格で、どのくらい勉強すれば取れるのか
- LPICとはどんな資格で、何を証明できるのか
- LPICの知識はどんな仕事・ポジションで役立つのか
- 他の主要なIT資格(CCNAなど)と比べて、LPICは何を学ぶ資格なのか
- LPICの受験料の目安と、申し込み方法・有効期限・更新方法
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【Linux関連】LPICってどんな資格?

本題に入る前に、多くの人がまず知りたいであろう「LPICはどのくらいのレベルの資格で、どのくらい勉強すれば取れるのか」を先に一覧化しておきます。
LPIC(Linux Professional Institute)とは
LPICは、1999年にカナダで設立された非営利団体LPI(Linux Professional Institute)が認定する、Linux技術者向けの国際資格です。180以上の国と地域で受験できる、Linux分野では世界的に知名度の高い資格の一つです。
LPIC-1/2/3のレベル体系と、それぞれの難易度・勉強時間の目安
LPICは、下から「LPIC-1」「LPIC-2」「LPIC-3」の3段階で構成されています。それぞれ2つの試験(LPIC-3は1科目)に合格することで認定されます。
| レベル | 対象試験 | 難易度 | 勉強時間の目安 | 対象者 |
|---|---|---|---|---|
| LPIC-1 | 101試験・102試験 | 易(基礎) | 未経験者:100〜150時間程度/実務経験者:50〜100時間程度 | Linux初心者、未経験からのキャリアチェンジ層 |
| LPIC-2 | 201試験・202試験 | 中(実務者向け) | 100時間程度(LPIC-1保有・実務経験が前提) | サーバー運用・構築の実務経験者 |
| LPIC-3 | 300/303/305/306から1科目選択 | 難(高度専門) | 60時間程度(1科目あたり。LPIC-2保有が前提) | 設計・アーキテクト志向の実務者 |
つまりLPIC-1は、これからLinuxを学ぶ人が最初の目標にしやすいレベルに設計されており、LPIC-2・LPIC-3と進むにつれて、実務経験を前提とした専門性の高い内容になっていきます。勉強時間はあくまで目安であり、個人差が大きい点は押さえておきましょう。
【Linux関連資格】LPICの出題/試験内容と合格基準とは

LPICは、「Linuxサーバーの構築・運用に必要な基礎知識を、体系的に理解している」ことを証明する資格だとイメージすると分かりやすいでしょう。
出題される技術範囲の概要
LPIC-1の出題範囲は、101試験と102試験で次のように分かれています。
- 101試験:
システムアーキテクチャ、Linuxのインストールとパッケージ管理、GNU/Unixコマンド、ファイルシステムの管理 - 102試験:
シェルスクリプト、ネットワークの基礎設定、セキュリティ対策
家庭用のPCにLinuxを一台入れて操作する知識を、複数台のサーバーを安全に運用する規模へ広げたときの知識、とイメージすると掴みやすいはずです。
試験の出題形式・試験時間・合格ラインの考え方
各試験は90分・60問程度で構成されており、選択式と記述式(穴埋め)が混在する形式です。合格ラインは800点中500点程度が目安とされていますが、問題ごとの配点は一定ではないため、公式に正確な合格点は公開されていません。この点は、後述する合格率の実情とあわせて理解しておくとよいでしょう。
LPICはどんな仕事で役立つのか、転職に有利になるのか

LPICが実際にどう役立つのかを、レベル別に見ていきましょう。
レベル別に見る、証明できる技術力と評価されやすいポジション
| レベル | 証明できる技術力 | 評価されやすいポジション |
|---|---|---|
| LPIC-1 | サーバー環境の構築・運用に必要な基礎知識 | 未経験からの運用監視・保守ポジション |
| LPIC-2 | Linuxシステムの構築・運用管理のエキスパートとしての実力 | サーバー構築・運用管理を担う中堅ポジション |
| LPIC-3 | 高度な専門知識を実務にも応用できるレベル | 設計・要件定義など、より上流のポジション |
LPIC-1単独では「基礎知識がある」という証明にとどまりやすく、転職市場でより明確に評価されるにはLPIC-2以上を目指すことが重要だとされています。
面接・書類選考でのアピールの仕方
LPICを取得している場合、「資格を持っています」と伝えるだけでなく、サーバーやミドルウェアのインストール、パラメータ設定、障害対応・保守といった、具体的にどんな作業に対応できるかまで説明できると、より説得力が増します。資格だけで転職が決まるわけではなく、実務経験と組み合わせて初めて評価される点も覚えておきましょう。
他の主要なIT資格と比べて、LPICは何を学ぶ資格なのか

IT資格にはさまざまな種類がありますが、それぞれ学ぶ内容の領域が大きく異なります。
| 資格 | 勉強時間の目安(未経験) | 合格率 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ITパスポート | 150〜180時間 | 約50%(IPA公式) | IT全般の基礎知識を幅広く浅く扱う |
| 基本情報技術者 | 200〜300時間 | 約45%(IPA公式) | ITエンジニア全般に必要な基礎知識・アルゴリズム |
| 応用情報技術者 | 400〜500時間 | 約23〜25%(IPA公式) | 記述式の午後試験が難関とされる |
| CCNA | 200〜300時間 | 非公開(推定20〜30%程度) | ネットワークの基礎・運用に特化 |
| LinuC-1 | LPIC-1とほぼ同等 | 非公開 | 出題の8〜9割はLPICと共通。国内向けにクラウド・コンテナを重視 |
| LPIC-1 | 100〜150時間 | 非公開(推定) | Linuxサーバーの構築・運用に特化 |
表からも分かるように、ITパスポートや基本情報技術者はIT全般を幅広くカバーする資格である一方、LPICはLinuxサーバーという専門領域を深く掘り下げる資格です。同じように専門特化型の資格であるCCNAはネットワーク、LinuCはLPICとほぼ同じ領域を国内向けに調整したものというように、それぞれ立ち位置が異なります。
ネットワークエンジニアを目指すなら、LPICとCCNAどちらを先に取るべきか
サーバー・Linux系のキャリアを志望するならLPICが軸になり、ネットワーク系のキャリアを志望するならCCNAが軸になるというのが、複数の情報源に共通する見立てです。ただし、サーバーとネットワークは実務上密接に関わり合うため、サーバー系志望でもCCNAから始めて構いませんし、両方を取得するエンジニアも多く見られます。理解を積み上げて学ぶタイプの人はCCNAから、暗記中心で短期取得を優先したい人はLPICから、という選び方も一つの目安になります。
【Linux関連資格】LPICとLinuCとの違いは?
LPICと似た名前の資格に「LinuC」があります。これは2018年にLPI-Japan(当時のLPICの代理店)が独自に立ち上げた、日本国内向けの資格です。出題内容の8〜9割はLPICと共通していますが、LinuCはレベル1の時点からクラウド・コンテナに関する内容を含んでいるなど、細かな違いがあります。どちらを取るべきかの判断基準は、LPICとLinuCの違いを扱った記事でより詳しく解説しています。
LPIC-1(101・102)の受験料は各15,000円

受験料の目安と支払い方法
LPICの受験料は、公式サイトの料金表によると、LPIC-1(101・102)が各15,000円、LPIC-2(201・202)とLPIC-3が各18,000円です(2024年10月の改定後の金額。税込表記であるかは公式サイトに明記がないため、実際に申し込む際は最新の金額を確認することをおすすめします)。支払いはクレジットカードでのオンライン決済が一般的です。
会社の補助制度がある場合の確認ポイント
会社によっては、資格取得の受験料を補助する制度を用意している場合があります。次のような点を事前に確認しておくと、無駄な出費を避けられます。
- 合格した場合のみ補助対象になるのか、受験するだけで対象になるのか
- 補助を受けるための申請手続きのタイミング(受験前か合格後か)
- 再受験した場合の補助の扱い
申し込み方法とキャンセル・変更時の注意点
LPICの受験は、ピアソンVUEを通じてオンラインで申し込みます。試験センターでの受験のほか、自宅などからオンラインで受験する方法も選べます。申し込み後にキャンセルや日程変更が必要になった場合は、期限や手数料の扱いが変わることがあるため、事前にピアソンVUEの規定を確認しておくと安心です。
LPICの有効期限と更新方法

「有意性期限」5年とは
LPICには、CCNAのような明確な失効期限はありませんが、認定を「ACTIVE(現役)」として維持するための「有意性期限」が5年間定められています。5年を過ぎるとステイタスが「INACTIVE」に変わりますが、認定を取得した事実そのものが消えるわけではありません。
更新(再認定)の3つの方法
有意性期限内にACTIVEを維持する方法は、大きく分けて次の3つです。
- 保有するレベルの最新版試験に再受験して合格する
- 複数レベルを保有している場合、より上位レベルの試験に再受験して合格する(全レベルの有意性期限が延長される)
- 現在のレベルから5年以内に、新たに上位レベルの認定を取得する
どの方法を選ぶかは、更新のタイミングでのキャリアの方向性によって変わってきます。
まとめ:LPICは「Linuxサーバーの基礎」を体系的に証明する資格
LPICは、LPI(Linux Professional Institute)が認定する国際資格で、LPIC-1・2・3という3段階で構成されています。LPIC-1であれば未経験からでも100〜150時間程度の学習で十分に狙える難易度で、受験料は各15,000〜18,000円、有意性期限は5年間です。
ITパスポートや基本情報技術者のようにIT全般を幅広く扱う資格とは異なり、LPICはLinuxサーバーという専門領域に特化している点が大きな特徴です。自分が目指すキャリアの方向性と照らし合わせながら、資格選びの材料の一つとして活用してみてください。






