LPICへの挑戦を考えたとき、多くの人がまず気になるのは「自分にどのくらい歯が立つのか」「合格までにどれだけの時間を確保すればいいのか」という現実的な見通しではないでしょうか。特に、Linuxの実務経験がない場合、周囲に相談できる相手も少なく、漠然とした不安だけが先に立ちがちです。
そのため、LPICの体感的な難易度と合格率の実情、必要な勉強時間の目安、レベル1〜3までどこまで取得すべきかの考え方、そして他の主要なIT資格と比べた場合の位置づけまで、まとめて紹介していきます。
- LPICの難易度と合格率の実情
- 合格に必要な勉強時間の目安(101・102それぞれ、未経験者/実務経験者別)
- LPIC-1〜3まで、どこまで取得すべきかの考え方
- 他の主要なIT資格と比べたときの、LPICの難易度・勉強時間の位置づけ
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【Linux関連資格】LPICの難易度はどれくらいか

LPICの難易度を考えるうえでは、「合格率の数字」「出題形式の特徴」「実際に解いてみたときの体感」という3つの角度から見ておくと、実態がつかみやすくなります。
合格率は公式的には非公開
LPICの合格率は、CCNAなどと同様に、LPI(Linux Professional Institute)から公式には発表されていません。CCNAの場合はネット上で「20〜30%程度」といった数字がよく紹介されていますが、LPICについては、そこまで広く定着した推定値も見当たらないのが実情です。合格率の数字を過度に気にするよりも、次に紹介する出題形式や体感的な難しさを把握しておく方が実践的です。
LPICが難しいと思う理由3つ
LPICが「難しい」と言われる背景には、次のような具体的な理由があります。
- 実際にコマンドを操作した経験が必要:
単純な用語の暗記だけでは対応しづらく、手を動かした経験の有無が点数に直結しやすい - 出題形式が混在する:
単純な選択式だけでなく、記述式(穴埋め)の問題も出題される - 出題範囲の広さ:
101試験(システムアーキテクチャ、インストール、パッケージ管理、コマンド、ファイルシステム)と102試験(シェルスクリプト、ネットワーク、セキュリティ)に分かれ、それぞれ幅広い範囲から出題される
LPICの簡単な問題と難しい問題の差
LPICの出題には、単純な知識問題から計算・変換力が求められる問題まで幅があります。実際の試験問題ではなく、出題傾向をイメージするためのオリジナルの例題を2つ紹介します。
簡単な例題(知識があれば即答できるレベル)
問題:あるファイルのパーミッションが「rw-r–r–」と表示されている場合、これを数値(8進数)で表すとどうなるか。
正解は「644」です。所有者(読み取り・書き込み=6)、グループ(読み取りのみ=4)、その他(読み取りのみ=4)という組み合わせを理解していれば即答できる、基礎レベルの問題です。
難しい例題(変換の手順を理解している必要があるレベル)
問題:あるディレクトリのパーミッションが「754」に設定されている場合、その他ユーザー(other)に許可されている権限はどれか。
正解は「読み取りのみ(r–)」です。「7」は所有者の権限(読み取り・書き込み・実行)、「5」はグループの権限(読み取り・実行)、「4」はその他ユーザーの権限(読み取りのみ)を表しており、それぞれの数字が持つ意味を理解していないと正しく変換できません。
このように、単純に用語を覚えていれば解ける問題と、数値の意味を理解していないと解けない問題が混在している点が、LPICの体感的な難しさにつながっています。
【Linux関連資格】LPIC合格に必要な勉強時間の目安

合格率の数字よりも実感が湧きやすいのが、勉強時間の目安です。個人差はありますが、複数の情報源に共通する目安は次のとおりです。
LPIC-1の勉強時間は、未経験者100〜150時間が目安
未経験者の場合、101・102を合わせて100〜150時間程度が一つの目安です。実務経験があり、IT用語や基礎的な仕組みにある程度馴染みがある場合は、50〜100時間程度に短縮できるとされています。
101を先に受ける順番が推奨されている
101試験はシステムの基礎操作を扱うため、比較的取り組みやすいとされる一方、102試験はシェルスクリプトやネットワーク設定など応用的な内容を扱うため、やや難しいと感じる人が多い傾向にあります。この構成上、101試験を先に受けて基礎を固めたうえで102試験に進む順番が推奨されています。
未経験はLPIC-1、実務経験者はLPIC-2、設計志向はLPIC-3までが目安
どこまで取得すべきかは、目指すキャリアによって異なります。
- LPIC-1で十分なケース:
未経験からのキャリアチェンジで、まずは入門的なポジションを目指す場合や、LinuCを重視する企業に勤める場合 - LPIC-2まで目指すべきケース:
実務経験を積み、中堅ポジションへの昇格や、海外でのキャリアも視野に入れたい場合 - LPIC-3まで目指すべきケース:
設計・アーキテクト志向で、より高度な専門性を証明したい場合
LPIC-3取得で、設計・要件定義など上流フェーズに関わりやすくなる
LPIC-3は、「300(異種環境統合)」「303(セキュリティ)」「305(仮想化)」「306(高可用性とストレージ)」という4つの専門分野から1科目を選んで合格すれば認定される仕組みです(前提としてLPIC-2の保有が必須です)。
取得することで、サーバー構築・運用といった実務の延長にとどまらず、設計・要件定義といった、より上流のフェーズに関与しやすくなり、高難度な案件へのアサインにつながりやすくなるとされています。
他の主要なIT資格と比べて、LPICの難易度・勉強時間はどうか

LPICの位置づけをより具体的につかむために、他の代表的なIT資格と勉強時間・合格率を並べてみます。
| 資格 | 勉強時間の目安(未経験) | 合格率 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ITパスポート | 150〜180時間 | 約50%(IPA公式) | 情報処理技術者試験の中で最も基礎的な位置づけ |
| 基本情報技術者 | 200〜300時間 | 約45%(IPA公式) | 以前は20%台だったが、CBT方式への移行後に上昇 |
| 応用情報技術者 | 400〜500時間 | 約23〜25%(IPA公式) | 記述式の午後試験が難関とされる |
| CCNA | 200〜300時間 | 非公開(ネット上では20〜30%程度という推定値が多い) | シスコは合格率を公式発表していない |
| LinuC-1 | LPIC-1とほぼ同等 | 非公開 | 出題の8〜9割はLPICと共通 |
| LPIC-1 | 100〜150時間 | 非公開(定まった推定値も見当たらない) | LPIは合格率を公式発表していない |
合格率だけで単純比較はできない理由
表を見ると、ITパスポートや基本情報技術者・応用情報技術者はIPAが公式に合格率を発表している一方、CCNAやLPICは主催団体が合格率を公式発表していません。この違いがあるため、公式発表のある資格とない資格を同じ土俵で「どちらが難しいか」と比較することはできません。それでも共通して言えるのは、LPICは出題範囲が広く、暗記だけでなく実際の操作経験が求められる分、一定の学習時間を要する資格だという点です。
LPICの勉強時間をどう確保するか

必要な勉強時間が分かっても、日々の生活の中でどう確保するかは別の課題です。
1日2時間なら2ヶ月、1日1時間なら3〜5ヶ月が目安
未経験者の目安である100〜150時間を基準にすると、次のような期間感になります。
- 1日2時間:2ヶ月程度
- 1日1時間:3〜5ヶ月程度
- 週末中心(週2日・1日3時間程度):2〜3ヶ月程度
仕事や学業と両立する場合は、無理に短期集中を狙うよりも、毎日少しずつ継続できるペースで計画を立てるほうが挫折しにくくなります。
通勤時間の活用と週単位で進捗管理をする
まとまった学習時間を取りにくい社会人の場合、次のような工夫で学習時間を積み上げている人が多く見られます。
- 通勤時間や休憩時間を、参考書の読み込みではなく一問一答形式の復習に充てる
- 平日は基礎知識のインプット、休日にまとめて実機演習や問題演習を行うなど、曜日ごとに学習内容を分ける
- 「毎日〇時間」という目標よりも、「週に〇時間」という単位で進捗を管理し、多少の日々の変動を許容する
具体的な勉強の進め方については、LPICの勉強法を扱った記事でさらに詳しく解説しています。
LPICの難易度は「範囲の広さ」と「操作経験」で理解する
LPICの合格率は公式に発表されておらず、CCNAのように広く定着した推定値もないのが実情です。数字を追いかけるよりも、出題範囲の広さや、実際にコマンドを操作した経験が求められる点といった、LPIC特有の難しさの中身を理解しておくことが大切です。
勉強時間の目安は、LPIC-1で未経験者100〜150時間、実務経験がある場合で50〜100時間程度です。どこまで取得すべきかはキャリアの方向性によって変わりますが、正しい計画を立てて継続すれば、未経験からでも十分に合格を狙えます。





