未経験でIT業界・エンジニアへの転職活動をしていると、「未経験歓迎」「好条件」といった言葉の裏に、何か引っかかりを感じることがあるのではないでしょうか。
この記事では、実際に報告されている怪しい求人の手口から、応募前のチェック方法、入社後に不安を感じたときの対処法までを解説します。
\こんな人におすすめ/
- 未経験からエンジニアを目指しているが、SES業界に不安がある
- 実際にどのような怪しい求人があるのか、具体的に知りたい
- 応募前にどこを確認すればいいか、判断基準が欲しい
- 未経験エンジニア求人に潜む7つの怪しい手口
- 応募前にチェックすべきポイント
- 怪しくない求人・企業の探し方
- 入社後に「怪しい」と感じたときの対処法
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未経験エンジニア|SES企業の求人が怪しいと言われる理由
未経験エンジニアの募集をしている求人を見て、「怪しい」「こんな好条件で裏があるのでは?」と感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
これは、IT業界の「SES企業」という特殊な業態のわかりにくさに加え、安全な求人と怪しい求人の違いを見分けにくいことが原因だと考えられます。
実際、厚生労働省が公表しているハローワークの求人票と実際が異なる旨の申出等の件数は、平成29年度の8,507件から令和6年度は3,297件まで減少しているものの、今も年間3,000件以上発生しています。求人票の内容と実際の労働条件が異なるケースは、業種を問わず一定数存在するのが実態です。
だからこそ、転職前に会社情報をよく調べておかないと、結果的に後悔してしまうことになりかねません。大切なのは「怪しいから避ける」ではなく、「どこを見れば怪しさに気づけるか」を知っておくことです。次の章から、具体的な手口を見ていきましょう。
未経験エンジニア|SES企業の求人に潜む8つの怪しい手口
事例①:研修費を後払いで数十万円請求される
「研修制度あり」とうたいながら、研修期間中に退職しようとすると、社内の研修スクール代や研修費用として数十万円を請求されるケースが実際に問題になったことがあります。
そのため
・契約時には必ず契約書にスクール費用負担の条件が明記されているか確認
・面接時に直接スクール費用について質問する
などして確実に確認することが大切です。
詳しくはネット上で「SES 裁判」と検索してみてください。
事例②:IT職種の求人なのに実態はコールセンター業務
「ITエンジニア募集」として応募したのに、実際の業務はコールセンターやヘルプデスクの電話対応だった、という声が多く聞かれます。SESで採用された場合、常駐先がエンジニア業務とは無関係な現場になってしまうことがあります。
私の知り合いのケースでは、研修中は実際にコールセンターで働き、研修後は運良く大手企業のSES案件に携わって好条件かつフルリモートで働けています。この場合約束をきちんと守ってくれた良い企業を見分けた例と言えるでしょう。
しかし一方でSNSや一部企業の社員口コミでは、「入社して2年以上コールセンターでの勤務をしなければいけないと言われた」といった声も見かけます。
事例③:「未経験歓迎」なのに実務経験を条件にしている
求人タイトルには「未経験歓迎」と書かれているのに、応募条件を細かく見るとプログラミング言語の実務経験やサーバー運用経験を求めているケースがあります。
こうした求人は必ずしも怪しいわけではなく、企業側が想定している「未経験」の基準が、「大学や独学である程度IT知識・技術を学んできたが、現場経験はまだない」という意味であることが多いためです。
この場合、「これからIT業界について学んでいく」という完全未経験は基本的に採用対象になりません。
他業種からエンジニアを目指す方は、企業によって「未経験」の定義が異なる(未経験=業務経験がないという意味で使われることもある)点を踏まえたうえで、完全未経験を受け入れている会社を探す必要があります。
事例④:給与の設定幅が極端に広く、下限スタートになりやすい
「月給20万〜50万円」のように給与レンジが極端に広い求人は注意が必要です。未経験者の多くは下限に近い金額からのスタートになりやすく、上限の数字だけを見て応募すると入社後にギャップを感じやすくなります。
実際に見かけた例では、東京都内の家族経営SES企業で
未経験者(大学卒業):21万/月
未経験者(それ以外):19万/月
という求人もありました(2026年時点)。
事例⑤:派遣会社がSESを名乗り無関係な現場で働かせる
SES企業を名乗りながら、実態は「ITとの関連が低い人材派遣会社」で、家電量販店やカフェなど、エンジニアリングとは無関係な現場に配属させる企業も存在します。求人票の「事業内容」欄が「有料職業紹介事業のみ」など、IT関連の記載がない場合は注意が必要です。
(例)
・有料職業紹介事業のみ → 注意
・IT Solution事業/SES事業/有料職業紹介事業 → IT関連の記載あり
SE企業自体がすべて悪いわけではありません。大切なのは「SES企業を装ったただの派遣会社」を見抜くことです。求人票にIT関連の情報が少ないことは、その会社が実際にIT業界に身を置いているかどうかを判断する重要な基準になります。
前述のコールセンター業務やテレアポと似ているように思えるかもしれませんが、実は全く別の話です。ヘルプデスクやIT事務であればまだIT関連の業務といえますが、家電量販店や携帯ショップ、カフェでの勤務は、エンジニアを目指す仕事としての関連性がほとんどありません。
そこまでいくと、正直タイミーのような単発バイトで十分とも言えます。
事例⑥:客先常駐先で営業のフォローがなく放置される
SESで客先常駐する場合、本来は自社の営業担当が定期的にフォローし、業務内容や人間関係の悩みを相談できる体制が必要です。しかし営業のフォローが一切なく、常駐先に放置されてしまうという場合も…
SESで働く上で一番大事なことは「信頼できる営業担当と出会えるか」です。
良い案件をゲットするのは自分の実力ですが、そもそもその良い案件を持ってくるのは営業担当です。
事例⑦:経歴を偽ることを強要される
案件を獲得しやすくするため、実際にはない実務経験やスキルを経歴書に加えるよう強要されるケースもあります。経歴詐称は本人にとってもリスクが大きく、信頼できる企業であれば求められることのない行為です。嘘をついても、つらい思いをするのは結局自分自身です。
実際に、未経験者に経験豊富なエンジニアを装わせるため履歴書や年齢を偽らせ、客先に虚偽の経歴で送り込んでいたSES企業に対して裁判も起こった事例があります。経歴詐称の強要は、会社側にとっても重大な法的リスクとなる行為です。
未経験エンジニア|SES企業への応募前にチェックすべき2つのポイント
求人票で確認すべきポイント
求人票を見る際は、次の点を確認しましょう。
- 給与レンジの下限がどのくらいか
- 休日日数が明記されているか
- 雇用形態が正しく記載されているか
- 事業内容にIT関連の記載があるか
これらは、先ほど紹介した手口の多くを事前に見抜くための手がかりになります。
企業そのものを調べる方法
もちろん、すべての求人が怪しいわけではありません。求人票だけで判断が難しい場合は、企業そのものを調べてみることをおすすめします。
基本的には
- 公式HP
- 企業ブログ
- 企業SES
で実態を調査しましょう。
公式サイトやブログを確認すれば、実在する団体か、どういった経営方針を持っているかをある程度推測できます。また、社員の口コミサイト(OpenWorkなど)は複数のサイトを見比べることで、より参考になる情報が得られます。
\ 調査はまだ終わりません!/
▪️代表取締役の名前でも検索してみましょう
企業によっては、口コミサイトでの評判が悪くなったことをきっかけに社名を変更するケースもあるようで、社名が変わってしまうと、実際に働いていた人の口コミを見つけにくくなります。公式サイトやSNSに記載されている役員の名前で検索し、SNSアカウントを探してみるのも、会社の実態や人となりを知る手がかりになります。
そのため公式サイトやSNSに記載されている役員の名前で検索し、SNSアカウントを探してみるのも、会社の実態や人となりを知る手がかりになります。
SES企業への転職で後悔しないために考えるべきこと
エンジニア未経験者が転職活動をする中で、今後自分の選択に後悔しないようにするためにも
怪しい求人を避けるだけでなく、
▶ ITエンジニアの役割は『会社の種類』で決まる!SES・受託・自社の違いを徹底解説
そもそもSES企業で働きたいのか?
自社開発・受託開発・SESでは、働き方も身につくスキルも大きく異なります。求人票の事業形態を確認し、自分が今後身につけたいスキルや働き方に合っているかを見極めることが大切です。
SES企業で働く理由には、たとえば次のようなものがあります。
- エンジニア未経験だからこそ、SESで働きながら少しずつ技術と経験を積んでステップアップしたい
- 将来フリーランスを目指し、様々な現場で人間関係を築きた
- 残業の少ないライフワークバランスの取れた働き方が良い
- エンジニアだけでなくIT事務など幅広くポジションを狙っていきたい
そもそもSES企業の働き方に魅力を感じていないのなら、SES企業に転職しても後悔するだけです。
転職活動をしている段階で、自分の「働きたい職場の条件」を明確にしておきましょう。
入社後に「怪しい」と感じたときの対処法
万が一、入社後に「求人票の内容と違う」「怪しい」と感じた場合は、一人で抱え込まず、記録を残しながら相談することが大切です。
まずは業務内容や労働条件について、求人票や契約書とのズレを具体的にメモや記録として残しておきましょう。そのうえで、ハローワーク経由で応募した求人であれば「ハローワーク求人ホットライン」、それ以外の場合は労働基準監督署や転職エージェントなど、第三者の相談窓口に状況を伝えることができます。
「せっかく入社したのだから」と無理に我慢し続ける必要はありません。状況が改善しないと判断した場合は、早めに次の一歩を検討することも、自分のキャリアを守るための大切な選択です。
まとめ
未経験エンジニアの求人には、
☑️研修費の後払い請求
☑️IT職種のはずが家電量販店だった
☑️経歴詐称の強要
など報告されているさまざまな具体的なトラブルがいくつも存在します。
ですがそういった悪徳なSES企業は一部であり、その他の大多数は真っ当な経営をしているSES企業です。
しかし求人票の情報だけでは、「悪徳企業と優良企業の違いを見分ける」ことは難しいため、事前に求人票の読みたか・注意点を知っておきましょう。
「怪しいから避ける」のではなく、「どこを見れば見分けられるか」を知ったうえで、安心して働ける企業を選んでいきたいですね。





