今学んでいる技術も、いずれ使われなくなってしまうのではないか——そんな不安を感じたことはないでしょうか。技術トレンドが目まぐるしく移り変わる業界だからこそ、身につけた知識が無駄になることへの恐れは根強くあります。
この記事では実際にどれくらいの技術が世の中から消えてきたのか、そしてそれでも「エンジニアの道は茨の道」とは言い切れない理由を紹介していきます。
- 「覚えた技術が無駄になるのでは」という不安が生まれる理由
- 実際にどれくらいの技術が消えてきたのか
- 技術が消えても、エンジニアの道が「茨の道」とは言えない理由
- 技術の移り変わりに、今からどう向き合えばいいか
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なぜ「覚えた技術が無駄になるのでは」という不安が生まれるのか

エンジニアという仕事は、他の職種と比べても技術トレンドの移り変わりが速い分野です。新しいフレームワークや開発手法の情報が次々に流れてくる中で、「今学んでいることも、そのうち時代遅れになるのでは」という不安を抱くのは自然なことです。
こうした不安は、決して個人の思い込みだけではありません。パーソルキャリアが2021年2月に発表した「ITエンジニアの仕事と意欲に関する調査」(20〜59歳の有職者2,500人のうち、IT技術者1,600人を対象)では、IT技術者の46.5%が自分の技術・スキルの陳腐化に不安を感じていると回答しており、キャリア面での懸念の中でも上位に挙がっていました。やや以前の調査ではありますが、多くのエンジニアが同じような不安を抱えているという事実は、まず知っておいて良い前提です。
実際にどれくらいの技術が消えてきたのか
不安の実態を確認するために、実際に使われなくなった技術の例を見てみましょう。
ブラウザの終了
長年多くの企業サイトや業務システムで使われてきたInternet Explorer 11は、2022年6月にMicrosoftによるサポートが終了しました。特定のブラウザに依存した実装を続けてきた現場では、対応の見直しが必要になりました。
プラグイン技術の終了
Webページに動画やアニメーションを表示するための技術として使われていたMicrosoft Silverlightも、サポートが終了しています。こうしたプラグイン型の技術は、Webブラウザ自体の標準機能が進化するにつれて役目を終えていきました。
これらはいずれも、当時は広く使われ、多くのエンジニアが学習・実務で触れていた技術です。技術が入れ替わっていくこと自体は、業界の変化として現実に起きていることだと言えます。
技術が消えても、エンジニアの道が「茨の道」とは言えない理由
特定の技術が使われなくなること自体は事実ですが、それがそのままエンジニアとしての努力の無駄を意味するわけではありません。ここで整理しておきたいのが、「表層の技術トレンド」と「土台となる考え方」の違いです。
| 区分 | 具体例 | 技術の移り変わりとの関係 |
|---|---|---|
| 表層の技術トレンド | 特定のフレームワークの書き方、特定のブラウザ・プラグインの仕様 | 時代とともに移り変わりやすい |
| 土台となる考え方 | 問題を切り分けて考える力、設計の基本原則、デバッグの進め方 | 技術が変わっても引き継がれやすい |
新しい技術を学ぶ過程で身につくのは、その技術固有の書き方だけではありません。「なぜこの設計が合理的なのか」「不具合の原因をどう切り分けるか」といった土台の部分は、表層の技術が入れ替わっても引き継がれていきます。特定の技術が使われなくなったとしても、それを学ぶ過程で得た土台部分の力は残り続けるという点が、「エンジニアの道は茨の道」と単純には言い切れない理由の一つです。
「あなたが作った製品は誰が使うかわからない」という視点

技術の移り変わりへの向き合い方として、もう一つ持っておきたい視点があります。それは、自分が関わった製品やコードが、この先どこで、どのように使われ続けるかは、作った本人にもコントロールできないという事実です。
想定していなかった場面で自分の書いたコードが長く使われ続けることもあれば、力を入れて作ったものが早々に役目を終えることもあります。この不確実性を前提に置いておくと、「この技術を選んで正解だったのか」と過度に気負う必要がなくなります。その時々で最善だと考えられる技術を選び、目の前の課題にベストを尽くす、という姿勢のほうが現実的だと言えます。
技術の移り変わりに、今からどう向き合えばいいか
技術の移り変わりを前提とした上で、今からできる向き合い方には次のようなものがあります。
- 特定の技術の使い方だけでなく、その背景にある原理・仕組みを理解する習慣を持つ
- 複数の技術を経験する中で、共通して現れるパターン(設計の考え方や問題解決の手順)を意識する
- 新しい技術を選ぶときは、「なぜその技術を選んだのか」という理由を自分の言葉で説明できるようにしておく
これらはいずれも、特定の技術がなくなったとしても引き継いでいける力を意識的に育てるための習慣です。
まとめ:技術は移り変わっても、そこで培った学び方・考え方は無駄にならない
実際に、Internet Explorer 11やMicrosoft Silverlightのように、広く使われてきた技術が役目を終えていくことは現実に起きています。しかし、特定の技術トレンドが移り変わっていくことと、そこで積み重ねてきた努力が無駄になることは、同じ意味ではありません。
技術を学ぶ過程で身につく問題解決の型や設計の考え方は、表層の技術が変わっても引き継がれていきます。技術の移り変わりを過度に恐れるのではなく、その時々でベストを尽くしながら土台となる力を積み重ねていくことが、エンジニアとしての努力を無駄にしない向き合い方だと言えるでしょう。






