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コンピュータはなぜ動く?0と1から学ぶデータ構造・アルゴリズムの基本

コンピュータはなぜ動く?0と1から学ぶデータ構造・アルゴリズムの基本

ITエンジニアとしてキャリアをスタートさせるとき、プログラミング言語の書き方を覚えるのと同じくらい大切なのが、その根底にある「コンピュータの理屈」を知ることです。文法を覚えても、エラーの原因や「なぜこの書き方の方が速いのか」がわからず伸び悩んでいる人は、コードの裏側で起きていることを知らないまま先に進んでしまっているのかもしれません。

この記事では、コンピューターがデータをどう持ち、どう処理し、どう機械の命令に変換しているのかを、順番につなげて解説します。

この記事でわかること
  • データの持ち方(データ構造)によって処理速度が変わる理由
  • 同じ処理でも「やり方」(アルゴリズム)次第で速度が変わる理由
  • 書いたコードが機械の命令に変換される仕組み(コンパイル方式・インタプリタ方式)
  • これらの基礎理論がエンジニアとしてのキャリアにどうつながるか

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目次

コンピューターが「0と1」で動く仕組みを最小限おさらいする

なぜ0と1(オン・オフ)だけで、あらゆる情報を表現できるのか

コンピューターの中では、あらゆる情報が「オン(1)」か「オフ(0)」という2つの状態だけで表現されています。この最小単位を「ビット」と呼びます。1つのビットだけでは0か1かの2通りしか表せませんが、これを何十億個も組み合わせることで、文字や数値、画像や音声まで、あらゆる情報を表現できるようになります。電気のスイッチが、たくさん集まれば複雑な模様の電飾になるのと同じイメージです。

2進数・論理演算の詳しい仕組みはこちら

この0と1を実際にどう並べて数を表すか(2進数)、0と1をどう組み合わせて判断するか(論理演算)については、こちら「コンピュータの頭の中はどうなっている?2進数・論理演算・統計の基礎を徹底解説」で詳しく解説しています。ここでは、その先にある「集めたデータをどう扱うか」に焦点を当てて見ていきましょう。

データを「どう持つか」で処理が変わる——データ構造の基本

0と1が集まってデータになることが分かったところで、次に大事になるのは「そのデータをどうやって効率よく持っておくか」です。同じデータでも、持ち方(データ構造)が違うだけで、処理のしやすさや速度が大きく変わります。

配列・連結リスト:データの並べ方の違い

  • 配列:データを順番に並べて保管する構造。並んだ順番(添字)で管理するため、目的のデータに一瞬でアクセスできますが、途中にデータを挿入・削除しようとすると、後ろのデータをすべてずらす必要があります
  • 連結リスト:データ同士を「次はどこにあるか」という矢印(ポインタ)でつなげておく構造。挿入・削除は矢印を繋ぎ変えるだけで済むため得意ですが、目的のデータを探すには先頭から順にたどる必要があります

どちらが優れているというわけではなく、「よく検索するデータなら配列」「頻繁に追加・削除するデータなら連結リスト」のように、用途に応じて使い分けるものです。

キュー・スタック:処理する順番を決める仕組み

データの並べ方だけでなく、「どの順番で処理するか」を決める構造もあります。

  • キュー:先に入れたデータを先に処理する構造。窓口に並ぶ行列のように、先着順で順番が回ってきます
  • スタック:後に入れたデータを先に処理する構造。机の上に積んだ本の山のように、一番上(最後に置いたもの)から取り出していきます

これらは普段の処理の流れに合わせて選ぶもので、待ち行列の処理にはキュー、直前の操作を取り消す機能(元に戻す)にはスタックが使われる、というように用途が分かれています。

同じ処理でも「やり方」で速度が変わる——アルゴリズムの基本

データの持ち方が決まったら、次に大事なのは「そのデータをどう処理するか」です。同じ結果を得るための手順(アルゴリズム)は1つではなく、選び方によって処理速度が大きく変わります。

探索:総当たり(線形探索)と効率化(二分探索)の違い

  • 線形探索:先頭から順番に1つずつ確認していく方法。確実ですが、データが増えるほど時間がかかります
  • 二分探索:あらかじめ並び替えられたデータに対して、真ん中から確認し、目的のデータが前半・後半どちらにあるかを絞り込んでいく方法。範囲を半分ずつ絞れるため、データが多いほど線形探索との差が大きくなります

辞書で言葉を探すとき、1ページ目から順に読むのではなく、大まかに目的のページを開いて絞り込んでいく感覚に近いものです。

ソート:並び替えの基本的な考え方

探索を効率化するには、あらかじめデータが並び替えられている(ソートされている)ことが前提になる場合があります。並び替え方にもいくつかの考え方があり、隣り合う要素を比較して交換を繰り返す方法や、データを小さなグループに分けて並び替えてから統合する方法などがあります。データの量や、すでにどの程度並んでいるかによって、適した並び替え方は変わります。

書いたコードは、どうやって機械の命令になるのか——プログラミング言語の実行方式

データ構造とアルゴリズムで「どう持ち、どう処理するか」が分かったら、最後に残る疑問は「これらをコードに書いたとき、実際にどうやって機械が動く命令に変換されるのか」という点です。

コンパイル方式とインタプリタ方式の違い

私たちが書くプログラミング言語のコードは、そのままでは機械が理解できません。人間の言葉を機械の言葉(0と1の命令)に翻訳する必要があり、その翻訳の仕方には大きく2つの方式があります。

  • コンパイル方式:実行する前に、コード全体を一度にまとめて機械の言葉に翻訳しておく方式。翻訳済みなので実行速度は速くなりますが、翻訳(コンパイル)の工程が別に必要です
  • インタプリタ方式:コードを1行ずつその場で翻訳しながら実行する方式。翻訳の工程を待たずすぐに動かせますが、実行するたびに翻訳するため、コンパイル方式より速度は劣る傾向があります

この違いを知っていると何が変わるのか

この違いを知っていると、「なぜこの言語は実行が速いのか」「なぜこのエラーは実行時にしか出てこないのか」といった疑問に、理屈で答えられるようになります。単に「この言語は速い」と覚えるのではなく、その裏にある翻訳方式の違いを理解していることが、新しい言語を学ぶときの土台にもなります。

この基礎理論が、エンジニアとしてのキャリアにどうつながるか

プログラミングをするイメージ

ここまで見てきたデータ構造・アルゴリズム・プログラミング言語の実行方式は、すべて「コードに書いた処理が、どうやって効率よく機械の中で動くのか」という1つの流れの中にある知識です。データをどう持つか、どう処理するか、どう機械の言葉に翻訳するか——この3つの視点を持っているだけで、コードを書くときの判断基準がひとつ増えます。

「なぜこの処理は遅いのか」「なぜこの書き方の方が推奨されるのか」といった疑問にぶつかったとき、文法を知っているだけでは答えが出せません。

しかし、データ構造・アルゴリズムという視点を持っていれば、根拠を持って改善策を考えられるようになります。プログラミング言語の学習でつまずきを感じている方は、目先の文法だけでなく、こうした基礎理論にも目を向けてみてください。

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Q&A|データ構造・アルゴリズムに関するよくある質問

データ構造とは何ですか?

データをコンピューター上でどのように持つか(並べ方・つなげ方)を決める仕組みのことです。配列・連結リスト・キュー・スタックなどの種類があります。

アルゴリズムとは何ですか?

ある処理を実現するための手順のことです。同じ結果を得る場合でも、手順(アルゴリズム)によって処理速度が変わります。

線形探索と二分探索の違いは何ですか?

線形探索は先頭から順番に確認する方法、二分探索はあらかじめ並び替えたデータを半分ずつ絞り込んで探す方法です。二分探索はデータが多いほど有利になります。

コンパイル方式とインタプリタ方式の違いは何ですか?

コンパイル方式は実行前にコード全体を翻訳する方式、インタプリタ方式はコードを1行ずつその場で翻訳しながら実行する方式です。

2進数や論理演算については、この記事では扱っていませんか?

本記事では最小限の説明にとどめ、詳しくは姉妹記事「2進数・論理演算・統計の基礎」で解説しています。

この記事を書いた人

岩本 稜平のアバター 岩本 稜平 株式会社PRUM 代表取締役

株式会社PRUM 代表取締役。未経験から活躍できるエンジニアの育成・採用に力を入れ、一人ひとりの可能性を広げる環境づくりに取り組む。現場で培った知見をもとに、エンジニアのキャリアやAI、技術に関する情報を発信している。

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