CCNAへの挑戦を考えたとき、多くの人がまず気になるのは「自分にどのくらい歯が立つのか」「合格までにどれだけの時間を確保すればいいのか」という現実的な見通しではないでしょうか。特に、ネットワークの実務経験がない場合、周囲に相談できる相手も少なく、漠然とした不安だけが先に立ちがちです。
ここでは、CCNAの体感的な難易度と合格率の実情、必要な勉強時間の目安、他の主要なIT資格と比べた場合の位置づけ、そして勉強時間を確保するための現実的な考え方について話していきます。
- CCNAの難易度と合格率の実情(数字を鵜呑みにしない見方も含む)
- 合格に必要な勉強時間の目安(未経験者/実務経験者別)
- 他の主要なIT資格と比べたときの、CCNAの難易度・勉強時間の位置づけ
- 忙しい社会人でも勉強時間を確保するための考え方
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CCNAの難易度はどれくらいか

CCNAの難易度を考えるうえでは、「合格率の数字」「出題形式の特徴」「実際に解いてみたときの体感」という3つの角度から見ておくと、実態がつかみやすくなります。
合格率の実情(数字を鵜呑みにしない見方)
CCNAの合格率について、ネット上では「20〜30%程度」という数字がよく紹介されています。ただし、この数字はシスコが公式に発表しているものではなく、あくまで受験者の体験談やスクールなどによる推定値である点には注意が必要です。国家資格であるITパスポートや基本情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が公式に合格率を発表していますが、CCNAはそもそも公式な合格率が存在しない資格だという前提を押さえておきましょう。
また、仮に合格率が低かったとしても、それがそのままCCNAの難易度の高さを意味するとは限りません。記念受験や準備不足のまま受ける人も一定数含まれるため、合格率の数字だけで難易度を判断するのは早計です。数字はあくまで参考程度に捉え、次に紹介する出題形式や体感的な難しさもあわせて見ておくことをおすすめします。
CCNAが難しいと感じられる具体的なポイント
CCNAが「難しい」と言われる背景には、次のような具体的な理由があります。
- 出題範囲の広さ:
ネットワークの基礎・アクセス・IP接続・セキュリティ・自動化など6分野から、それぞれ10〜25%程度の割合で満遍なく出題されるため、1つでも苦手分野があると点数を落としやすい - 回答スピードが要求される:
試験時間120分に対して約100問が出題されるため、1問あたり1分程度で判断していく速さが求められる - 出題形式が多様:
単純な選択式だけでなく、入力形式やドラッグ&ドロップ形式の問題も出題される - 基礎となる考え方でつまずきやすい:
OSI参照モデルのような階層構造の考え方や、IPアドレスを扱う際の2進数の計算に慣れていないと、その後の学習全体でつまずきやすくなる
簡単な例題と難しい例題で見る、CCNAの体感差
CCNAの出題には、単純な知識問題から計算力が求められる問題まで幅があります。実際の試験問題ではなく、出題傾向をイメージするためのオリジナルの例題を2つ紹介します。
簡単な例題(暗記で解けるレベル)
問題:IPv4アドレスは何ビットで構成されているか。
正解は「32ビット」です。基礎用語を覚えていれば即答できる、知識確認レベルの問題です。
難しい例題(計算力が求められるレベル)
問題:「192.168.10.0/26」のネットワークにおいて、ホストとして使用できるIPアドレスはいくつか。
正解は「62個」です。「/26」は32ビットのうち26ビットがネットワーク部であることを示しており、残り6ビット(2の6乗=64個)がホスト部になります。ここから、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2つを除いた「64-2=62個」が、実際に機器に割り当てられるアドレス数です。
このように、単純に用語を覚えていれば解ける問題と、計算の手順を理解していないと解けない問題が混在している点が、CCNAの体感的な難しさにつながっています。
CCNA合格に必要な勉強時間の目安

合格率の数字よりも実感が湧きやすいのが、勉強時間の目安です。個人差はありますが、複数の情報源に共通する目安は次のとおりです。
未経験者の場合
ネットワークに関する知識がまったくない状態から始める場合、200〜300時間程度が一つの目安とされています。毎日2時間の学習であれば3〜4ヶ月、毎日3時間であれば2〜3ヶ月ほどのペースです。
IT実務経験がある場合
サーバーやアプリケーションの実務経験があり、IT用語や基礎的な仕組みにある程度馴染みがある場合は、100〜150時間程度が目安とされています。ネットワーク自体は未経験でも、ITの基礎的な考え方が身についていると、学習効率は上がりやすい傾向があります。そもそも自分がインフラエンジニアという職種に向いているのか気になる場合は、適性を確認できる記事も参考にしてみてください。
他の主要なIT資格と比べて、CCNAの難易度・勉強時間はどうか

CCNAの位置づけをより具体的につかむために、他の代表的なIT資格と勉強時間・合格率を並べてみます。
| 資格 | 勉強時間の目安(未経験) | 合格率 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ITパスポート | 150〜180時間 | 約50%(IPA公式) | 情報処理技術者試験の中で最も基礎的な位置づけ |
| 基本情報技術者 | 200〜300時間 | 約45%(IPA公式・CBT方式移行後) | 以前は20%台だったが、CBT方式への移行後に上昇 |
| 応用情報技術者 | 400〜500時間(基本情報保有者は250時間程度) | 約23〜25%(IPA公式) | 記述式の午後試験が難関とされる |
| LPIC(レベル1) | 100〜150時間 | 非公開(一般に50〜60%程度と推定) | Linux技術者認定機関は合格率を公式発表していない |
| AWS認定クラウドプラクティショナー | 20〜30時間程度 | 非公開 | AWS認定の中では最も基礎的な位置づけ |
| CCNA | 200〜300時間(未経験) | 非公開(ネット上では20〜30%程度という推定値が多い) | シスコは合格率を公式発表していない |
資格ごとの「合格率」を単純比較できない理由
表を見ると、応用情報技術者の合格率(約23〜25%)は、CCNAでよく紹介される推定値(20〜30%)と近い水準にあることが分かります。しかし、応用情報技術者はIPAが公式に発表している数字である一方、CCNAの数字は非公式な推定値であるため、この2つを単純に並べて「どちらが難しいか」を断定することはできません。
それでも共通して言えるのは、ITパスポートや基本情報技術者と比べると、応用情報技術者とCCNAはどちらも「範囲が広く、応用力が求められる資格」だという点です。CCNAはネットワークという専門分野に絞られている分、応用情報技術者のように国語力を要する記述式問題はありませんが、専門用語や英語由来の言い回しに慣れる必要がある点は、独特の難しさだと言えます。
勉強時間をどう確保するか(現実的なスケジュールの立て方)

必要な勉強時間が分かっても、日々の生活の中でどう確保するかは別の課題です。
1日の学習時間別の期間換算(未経験のケース)
未経験者の目安である200〜300時間を基準にすると、次のような期間感になります。
- 1日3時間:2〜3ヶ月程度
- 1日2時間:3〜4ヶ月程度
- 1日1時間:6〜8ヶ月程度
仕事や学業と両立する場合は、無理に短期集中を狙うよりも、1日1〜2時間を継続できるペースで計画を立てるほうが挫折しにくくなります。
忙しい社会人向けの学習時間の作り方
まとまった学習時間を取りにくい社会人の場合、次のような工夫で学習時間を積み上げている人が多く見られます。
- 通勤時間や休憩時間を、参考書の読み込みではなく一問一答形式の復習に充てる
- 平日は基礎知識のインプット、休日にまとめて過去問演習を行うなど、曜日ごとに学習内容を分ける
- 「毎日〇時間」という目標よりも、「週に〇時間」という単位で進捗を管理し、多少の日々の変動を許容する
具体的な勉強の進め方や、過去問演習におすすめのサイトについては、CCNAの勉強法を扱った記事でさらに詳しく解説しています。
まとめ:CCNAの難易度は「数字」だけでなく「中身」で理解する
CCNAの合格率としてネット上でよく見かける「20〜30%」という数字は、シスコが公式に発表しているものではなく、あくまで推定値です。数字の高さ・低さだけで判断するのではなく、出題範囲の広さや回答スピード、計算問題への対応力といった、CCNA特有の難しさの中身を理解しておくことが大切です。
勉強時間の目安は、未経験者で200〜300時間、実務経験がある場合で100〜150時間程度です。他の主要なIT資格と比べても、応用情報技術者と並んで範囲が広く応用力が求められる資格ですが、正しい計画を立てて継続すれば、未経験からでも十分に合格を狙えます。






