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発注者がシステム開発を依頼する前に知るべきこと7選 No1

システムとは?システム導入の
背景・目的・効果の考え方

「自社でシステムを導入することになり、プロジェクトのリーダーに任命された」
「外部ベンダーと連携して、プロジェクトを成功に導くには?」

システム開発の流れとかかる期間は?

まず、システム開発における全体の流れを押さえておきましょう。かかる期間や費用の目安もざっくり解説します。

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ゼロからシステムを構築するスクラッチ開発

開発方式には「スクラッチ開発」と「パッケージ開発」があります。

スクラッチ開発とは、ゼロからシステムを構築することです。例えば、会社の基幹システム(販売管理、在庫管理、会計、財務といった事業を遂行するための業務を効率化するシステム)を作るとなった場合、その会社の運用に合わせたフルオーダーメイドの仕様にできるので、使い勝手も業務効率も大変良いものになります。

「パッケージ」開発とは、既存のソフトウェアを用いて開発する方式です。すでに販売されているソフトウェアを組み込むため、スクラッチ開発と比較すると自由度に欠けるところがあります。汎用性はありますが、そのかわり会社独自の運用に必要な仕様を網羅できないこともあります。

例えばですが、「システムで出せない帳票だけはExcelで作っている」とか、「システムが業務フローと合っていない部分があるため業務効率が悪い」なんて話を聞くこともあります。ただ、そのぶん開発のコストや期間を抑えられるのがパッケージ開発のメリットです。

どちらが良い、悪いではないので、予算やプロダクトの独自性、使い勝手の良さをどこまで追求するかなどに合わせて選ぶことが大切だと思います。

開発とはそもそも、時間がかかるもの

一般的に、フルスクラッチでシステムを開発するとなった場合の工程は以下のとおりです。各工程にかかる期間は目安としてお考えください。

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4の開発においては、最短で2カ月程度、プロダクトの規模によっては4、5カ月か、それ以上かかることもあります。企画からリリースまで、トータルで1年を超える場合も少なくありません。

システム開発にはこのくらいの時間軸がかかりますので、その前提で準備していきましょう。

ちなみに、もし超特急でやってほしいということであれば、追加料金がかかるとは思いますが、対応してくれる開発会社もあると思います。

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システム開発の費用感

では、システム開発にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。

実際、弊社でもお客様から「いくらでできますか?」という質問を本当によく頂きます。

システムをフルスクラッチで開発する場合は、プロダクトの規模や実装する機能数によっても変わってくるので一概には言えませんが、いずれにしても最低ラインでも1000万〜3000万以上かかることが多いです。

開発費はどのように算出されるのか

開発にかかる費用は、ほとんどが人件費です。一般的には「人月」という作業量を表す単位で人件費を算出します。

1カ月間のシステム開発を行うのに4人の開発要員が必要な場合、「4人月」となります。

例えば、開発期間が8カ月間で、単価を一律100万円とする場合。「4人×100万円×8カ月間 =3,200万円」で、人件費は3,200万円と算出することができます。

簡単な説明とはなりますが、こうした仕組みをざっくり把握しておくと、見積りを出してもらったときに開発会社とのやりとりをスムーズに進めることができると思います。

企画書を作成する

さて、いよいよ今回のテーマ「システム発注の担当者が、まずやるべきこと」について解説していきます。

まずやるべきこと、それは企画書の作成です。

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企画書の目的

企画書は、システムの方向性を決めるために作成します。

企画の初期段階では、「システムで叶えたいこと」「開発の目的とゴール」「進め方」など、ほとんどのことが決まっておらず、担当者を含めた社内関係者の頭の中もふわっとした状態かと思います。そうしたところから、そのシステム開発の意義を明らかにして、具体的な方向性をアウトプットしていきます。

また、企画書は開発を社内で承認してもらうことにも使用します。したがって、承認の可否を判断できる材料を具体的に盛り込む必要があります。

企画書の作成はプロジェクトの成否を分ける非常に重要なフェーズです。この段階で失敗すると、その後どんなに良い開発会社と組んでもプロジェクトは成功しません。

なぜなら企画書が、開発するシステムの土台となるからです。企画書がベースとなってシステムの要件が決まり、その要件に沿ってシステムは出来上がります。企画がダメなら、出来上がったシステムで本来の課題を解決することはできないでしょう。

プロジェクトを成功させるために、企画書をしっかりと作成していきましょう。

企画書の項目

企画書は以下の項目で作成します。情報を集めるために、社内の関係者にヒアリングを行います。

  1. 現状の課題
  2. システム開発の経緯(背景)
  3. システム開発の目的
  4. 期待する成果
  5. 開発したいシステムの内容、範囲
  6. システムに盛り込みたい機能
  7. スケジュール
  8. 予算(概算)

この中で最も重要なのが「システム開発の目的」です。ここがずれてしまうと、仮に立派なシステムが出来上がったとしても、本来の課題を解決できていないシステムということになってしまいます。

とはいえ、目的をどのようにまとめたらいいのか悩まれる方もいるかもしれません。社内でヒアリングをすると、経営層が考える課題と、現場メンバーから挙げられる業務の課題、IT部門が考えるシステムの課題など、立場によって課題の種類が異なるためです。

目的を正しくまとめるには、まず経営層、現場、IT部門それぞれの意見をヒアリングし、それらを全社的な目的としてまとめていくのがいいでしょう。

その際、1つの課題に対して1つの目的を設定するのではなく、全体最適の視点から解決策を示します。

全体最適とは、例えば「システムが業務フローと合致しておらず業務効率が悪い」という課題に対して、「業務フローに合わせてシステムを改修する」と考えるのではなく、「システムへの入力をやめる」、または「業務フロー自体を見直す」といったように一段階上の視座に立って解決策を検討することです。そのようにして目的を設定し、そこから具体的な「成果」を落とし込んでいくのがいいでしょう。

今回のまとめ

システム開発には膨大な時間と手間とお金がかかるということを、あらかじめ理解しておきましょう。

システム発注の担当者としてプロジェクトを成功させるためには、そのすべての工程を適切に行っていく必要があります。発注側企業がやるべきこともたくさんあります。

その工程の中で、最も重要となるのが企画書の作成です。上述したように、社内の関係者と連携しながらしっかりと方向性を定め、真の目的を達成できる企画書を作成しましょう。

企画書のテンプレートをこちらからダウンロードできますので、ご利用ください。

次回はRFP(提案依頼書)の作り方についてお伝えします。

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